相談者:安永醸造有限会社 安永 由紀さん
担当コーディネーター: 矢野 俊樹(IT・Webサービス)
航空会社でWebディレクターを経験。さらに経営企画の経験も活かしインターネットを中心にした経営のご支援をさせていただきます。応用情報技術者。
インターネット販売に関する相談で次女が拠点に来訪した。
ヒアリングを通して4代目であった父を前年に亡くし、事業の継続に関して様々な不安を抱いていることが分かった。
代表者の死後、急遽その妻が代表に就任したが、代表者の製造に関する知見や、販路における人脈などが消滅してしまっており、品質事故や既存顧客の離反が起きてもおかしくない状況であった。
まず急激な品質・味の変化が起きてしまわないよう、県産業科学技術センターへ繋ぎ、定量的な品質管理を行うことを提案した。
次に販路担当コーディネーターが既存取引先へ次女と共に挨拶回りを行うことで、経営リスクに備えた。
そして次女が5年計画で正式な5代目として事業を承継する意思を確認し、これまでの事業計画の軌道修正を実施した。
地域人口の減少や食生活の多様化によって味噌・醤油の消費量は落ちており、承継計画では初の女性代表となる5代目らしさを生かしたマーケティングミックスと事業計画を策定した。
品質事故や急激な販路の縮小を防ぎ、売上高は承継前と比較して98%を堅持している。
拠点が申請支援した小規模事業者持続化補助金にも採択され、ラベルデザインの刷新や新商品の開発に取り組み始めた。
創業126年の老舗を後世に繋ぐ準備ができた。