相談者:株式会社九州ダイト 渡邉 英一さん
担当コーディネーター: 佐々木 俊司(知財戦略)
北海道~茨城~大分と南下するごとに知財と強いかかわりが。企業や特許庁事業の経験から「経営に役立つ知財」をモットーに皆様のお役に立ちたいと思います。
木の持つ香りを生かした商品を開発にあたり、特許となるような技術的特徴は見当たらない。
そこで商標権を商品化にうまく活用できないだろうかと相談にみえられた。
「木のぬくもり、やさしさをデザインする」を得意とする木工家具などを製作販売するとともに、敷地内に木工教室棟を設けるなど木育活動に精力的な企業。
自称木工屋さんとしての、商品群に新鮮なアイディアを吹き込む社長の意気込みがすごい。
木片をBOX状に組込んだ造作物で技術的特徴を見つけるのは難しい様子。
しかし、木の香りを醸し出す充填物構造など社長のアイディアを発揮するポイントはありそう
でした。
そこで、今回の課題として香りを活かした新商品のネーミングに絞り込みました。
商品開発の苦労や今後の商品構想をお伺いし、商標調査を一緒に行いました。
その結果、対象区分が数種に及ぶこと、またバッティングする商品も見つかりました。
そこで、今後の商品展開構想に基づき、重要ターゲットに出願区分を絞り、拒絶理由通知覚悟で製作可能性のある商品すべてを盛り込む出願戦略を提案しました。
いくつかの商品に商標類似などありましたが、販売戦略による対応等を検討し、必須ターゲットについて商標権「ひとと木」を取得することができました(商標登録第6116047号)。
商標権取得により、何よりも安心して事業活動に使用できること、そして事前の商標調査で注意すべき商品や他社の情報を垣間見ることができることも知財を味方にした利点と思います。
大分県よろず支援拠点には種々の専門分野のコーディネーターがいるので、大分市内への出張の際に予約を取っておけば、気軽に立ち寄り、相談ができること(知財以外にたとえば事業補助金に関するヒントなど)が良い点と感じています。
株式会社九州ダイト